コラム

なぜ給料少ない人ほど副業しない方がいいのか?

いきなり強烈なタイトルをつけてしまいましたが、煽りではありません。

世の中なんだか、

大衆たち
大衆たち

「副業しないとやばい」

「副業やってないなんて時代遅れ」

といった空気感があるような気がします。

そんな中で「副業しない方がいい」なんて、時代に逆行してると感じるかもしれません。

かく言う私も、実は様々な分野で副業経験があります。

転売、Webライター、Web広告運用代行、法人のデジタルマーケティングサポートなどなど。副業歴は5年以上あったりします。

そんな経験を踏まえてご提案します。副業は「してもいい人」と「しない方がいい人」がいる。

副業を検討するきっかけとして一番多いのが、

大衆
大衆

「本業の収入が少ないから副業したい」

というパターンです。

副業に取り組むもっともらしいきっかけのように見えますが、実はこれが一番のNGパターンです。

なぜそう言えるのか?

「本業の収入が少ないから副業したい」の構造

理由は簡単で、時給労働依存の体力勝負になり、本業も副業も中途半端になることが目に見えているからです。

まず、収入が高い人と副業しないと切羽詰っている自分を分つものは何か考えたことはありますか?「本業で高収入な人は、なぜ高収入なのか?」という問いです。

答えは簡単で、売上や利益への貢献度合いが高いポジションに就いているからです。

ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトなどに掲載されているミドル〜ハイクラス向けの求人案件を見ればイメージしやすいかも知れません。

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会社の主要ポジションに上り詰める人は、例外なく、末端で動くソルジャー(兵士)として結果を出して、戦略を策定していくブレーン(脳)的な働きに役割が移っていきます。

そのプロセスで、ビジネス脳もバキバキに鍛錬されて収入もジリジリと右肩上がりになるのです。

私も実感として持っているのですが、会社員でも末端のソルジャーをしていた時と、ブレーン(脳)的な仕事をしている時とでは、仕事の捉え方が全く異なります。

ソルジャーの時はお恥ずかしながら、「仕事=作業」という感覚でした。それがブレーンになるにつれて「仕事=謎解き・知恵比べ」という認識に移り変わっていく。

本業での役割の変化とともに認識が移り変わり、それに創刊するかのように副業で稼げる額も増えているのは本当のお話です。

あなたの本業での役回りはソルジャーですか?ブレーンですか?

もしソルジャーならブレーンになるための努力してますか?

まずはそこからです。

副業は予選なしの「全国大会」

少し話が逸れますが、基本的に本業で十分な収入があれば、副業しようと考える人は少数でしょう。なぜならお金よりも時間の方が貴重になってくるからです。

年収800万円を超えると幸福度も頭打ちになってくるというデータもありますし。

2015年にノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のアンガス・ディートン教授は、年収と幸福度の関係について興味深い研究結果を発表しています。

この研究によると、年収が7.5万ドル(約800万円)を超えるとそれ以降は、年収と幸福度の相関があまり見られないというのです。この研究結果をかみ砕いて説明すると、年収800万円までは年収が上がるに従い幸福度が上昇しますが、それ以降は年収が増えても幸福度はあまり変わらないということになります。

年収800万円が幸福度の限界点?年収と幸福度の関係とは - MUFJ

わざわざ貴重な時間を使って、お金を増やすことの価値が相対的に低くなっていくということです。

そんななか、私の友人でもWeb系の大手広告代理店で年収1000万近く(想定)の友人がいます。彼も副業に取り組んでいます。なぜそこまで収入があっても副業に取り組むのか?

理由は「やりたくて仕方ないから」だそうです。

「やりたい」と言う謎の使命感が燃料となって彼を突き動かしているというわけです。

さらに広告代理店勤務ですから、ビジネスのことをよく理解しています。マーケティングのことやお金がどこからどこに流れているのかよく理解しているので、売上を叩き出すのが本当に上手です。

副業しないと切羽詰まっている方が、「やりたくて仕方ないから」というモチベーションで副業に取り組むビジネスエリートと戦わなければいけない。

数千〜数万円程度稼げればいいなら、体を動かせば確実に稼げるアルバイトをしていた方がマシです。それが副業の世界です。

ただ、人生にインパクトをもたらすレベルで収入を増やしたいのなら、ビジネス脳ゴリゴリのエリートとも同じ土俵で相撲を取る必要があるということは頭に入れておいてください。

ビジネスの世界に地方予選はありません。いきなり全国大会なのです。

競合して勝ち筋を見出せますか?冷静に考えて分が悪そうでは?

自分のポジションを客観視しましょう。

所得が少ないなら疑うべきは?【副業するよりも先に】

厳しいこと言いますが、ビジネス脳のOS(オペレーションシステム)のスペックが低い状態で副業しても、時給2000円程度のアルバイトか、せいぜい単価数千円の量産型Webライターでしょう。

たしかに手取りを増やしたいなら、働く時間を増やすのが手っ取り早いです。

ですが、中長期的に稼げる、時間にレバレッジをかけて人生にインパクトをもたらすレベルで稼げるようになるためには、ビジネス脳のOSをレベルアップさせて、まずは本業の収入を上げていくことです。

今の会社でさっさと結果を出しましょう。それでも収入が上がりにくいのなら、さっさと他社に転職して年収アップを勝ち取ってください。転職なら年収ベースで100万円アップとかザラです。

本業500万円+副業100万円=年収600万円よりも、本業年収600万円のほうが時給は高いし効率は良いですし。

収入の変数は、業界×職種×役職です。

もし根本的に稼げない業界にいるなら業界をジャンプする必要がありますし、所得水準が高い業界にいるにも関わらず手取りが少ないなら、

①職種を疑う
②役職を疑う
③勤務先企業の給与形態を疑う

という手順を踏んでみてください。

副業を検討するのはそれからでも遅くありません。まだ副業はしない方がいい、という戦略的撤退も悪くないと思います。

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