結論から、私も会社内の評価が低いのはどうでもいいと思っている側の人間です。
会社で働いていると、自分では成果を作ったり難易度の高い仕事をこなして「よくやった!」と感じても、それが上司や会社からの評価に繋がらない...。ということは起こり得ます。
「どうして自分の評価はこんなに低いのか...?」
「自分より働いてない同僚が良い評価をもらってるのは納得いかない!」
なぜこんなことが起きてしまうのか?
理由は2つあります。
会社内社内評価がどうでもいい2つの理由
- 評価者がまともな人とは限らないから
前提として、評価者である上司も人間です(笑)
実績を作った人に高評価を与えるのは簡単です。一方で問題なのが好き嫌いで評価されてしまう場合ですよね。
関係性が良好な人だったり、自分の指示通りに動いてくれる扱いやすい人に高評価を与えるなんてこともあるようです。
それから、会社の評価制度によっても状況は変わってきますよ。
私も数社を渡り歩いてきて、そもそも評価制度が確立されていなかったり、評価基準がブレブレな企業も普通にありました。大企業から転職してくる人はめちゃくちゃ驚いてましたが(笑)
そんな中で適切な評価を下せるとは言い難いですよね。
それに、上司があなたのことを評価することになると思いますが、上司は会社の中では評価されたので上司になったわけです。イコール社外でも評価されるとは限りませんからね。
私もたまたま転職経験豊富な外資メーカー出身の上司と縁があって、「社外でも活躍するためにこれは覚えておいた方がいい」「中長期的に喰いっぱぐれたくないならこうしておけ」と教えてもらえたことがあります。
その上司自体、社内の評価はアテにしてないので本当にテキトーでした(笑)
「とりあえず85点くらいつけておくわ。あとは自分の仕事しっかりやって実績作れ!」みたいなノリで。
その上司のおかげで年収アップしつつ転職できたこともありました。そういうスタンスで取り組んでいる人もいるよということを頭に入れておくといいとおもいます。
- 会社コミュニティ限定の評価だから
もし会社内での出世を目指しているのなら、実力を磨きつつキーパーソンに取り入って、評価を確立するというのは不可欠です。
そうでないなら、会社という狭いコミュニティの中での評価は、そこまで気にする必要ないのではないかなと。
特定の場所では評価されなくても、身を置く場所を変えてみたら高く評価される。そんなことはよく起こる現象です。
アーティストは日本で評価されなくても国外の人にリーチして、人気を獲得する、評価を獲得できたというのはよくある話です。
日本を代表するアーティストの草間彌生という方がいます。カボチャの絵とか見覚えある人は多いと思いますが。彼女はアメリカで燻っていて、日本に戻ってきてブレイクしたのは60歳近くになってからですからね。
また別の話で、銀行とか商社は安定、高収入、安定企業ということで就職市場では有名ですが、転職市場では評価が低いのは有名です。
20代で年収1,000万も視野に入る彼らは、会社のブランド力を自分の実力と踏んで、ベンチャーやスタートアップにエントリーするケースが後を立たないそうです。ストックオプションも視野に入りますしね。
すると、マーケティングもプログラミングもロクにできない。殿様営業しかしたことない彼らはポジションがない、という現実に直面するのだそうです。
価値は相対的なものです。場所が変われば価値は変わります。
あなた自身がどこで評価されたいか、評価を獲得してどうなりたいかという問題でもありますけどね。
「社内評価はどうでもいいから市場価値を上げよう」「稼ぐスキルを身につけよう」に潜む罠
会社内の評価はどうでもいいとするなら、何を指標として働くべきでしょう?
風潮として社内評価は置いておいて、「市場価値を上げよう」「稼ぐスキルを磨こう」という風潮があります。一見真っ当そうに見えて、実はこれも提案としては微妙です。
「市場価値を上げよう」に潜む落とし穴
なぜなら、「市場評価」という言葉を使っている時点で、労働市場に最適化されるからです。
雇われとして労働市場で生きていくなら、「労働市場での市場価値を上げよう」というのは正しい提案です。
ただ、将来的に会社に頼らずに自立して生きていきたいなら、労働市場での価値は気にしていても仕方ないですからね。
会社員として給与を得るのと、事業主業主として売上を立ててそこから給与を得るのは全く別のゲームです。
ゲームが違えば評価のされ方も全く違ったものになります。
労働者の通信簿が労働市場での評価だとしたら、事業主の通信簿は決算書です。労働市場で高く評価される人が良い決算書を作れるとは限りません。
労働者としてはうだつが上がらなくても、経営者やフリーランスとして伸び伸び仕事している友人が多くいます。
だったら、「稼ぐスキルを身につけよう」「会社内の評価は追い求めるのは無駄だから、自分で売上を立てられるようになろう」という声も一定数見られます。
「稼ぐスキルを身につけよう」に潜む落とし穴
もし独立思考があるなら「稼ぐスキル」を最優指標においてもいいと思います。「会社に依存せずに稼ぐ」という響きは魅力ですよね。本当に美しい。
ただ、「稼ぐスキル」と言ってしまうと「稼げれば何でもいいのか?」という問題も出てきます。
どうでしょう、稼げたとしても「1日12時間以上働きます」とか「場所に制約があります」というのは個人的には魅力を感じません。
それに月10万稼ぐスキルと、月100万稼ぐのは選ぶべきビジネスモデルも全く違うものになってきます。
「稼ぐスキル」にしても、「どうやって稼ぐか?」「どれくらいのレンジを目指すのか?」によって戦略は変わってくるということです。
こういうことが見えていないと、時間とお金を無駄に消費して「気づいた頃には、自分の中に何も蓄積されてない」みたいな状態に...。これはは何としても避けたいですよね。
それなら何を指針として働いていくべきか?
じゃあ僕らは何を指標にするべきでしょう?
私は自分で「ゴール像」を設定すべきです。ゴールを設定して、そこに近づくためのマイルストーンを置きましょう。
僕たちは、他者が設定した指標の中で競争させられることに慣れ切ってしまっています。
学校でテストの点数を競ったり、スポーツにしても同じルールの中で優劣を競ったり。そうやって長いこと教育されてきました。
あなたも狭い会社内で評価を得ることの価値に疑問を感じてこの記事を読んでいるはず。
それなら他者から与えられた指標ではなく、自分で評価軸を設定しましょうよということです。
社内評価は無視するにしても、目標を持たない限り働いている時間が無駄です。
社外にフィードバックしてくれる人を持つとか、フリーランスとして何人の顧客を作るとか、そういった方向性に労力を振り向けてみたり。
そうなると「会社の評価がどうでもいいから適当に仕事しよう」ではなくて、「自分で設定した指標を達成するための材料として会社の仕事も利用してやろう」という考え方もできるかもしれません。
そうなると「自己設定したゴールに近づくには、別の業界に転職した方が有意義なスキルが身につきそうだな」と気づくこともあるでしょう。
会社員だからこそアクセスできる有益な情報というのもゴロゴロ転がってますからね。
「評価がどうでもいいから仕事は適当でいいや」「会社に頼らず稼げばいいや」
そんな単細胞思考ではもったいないなと感じる今日この頃です。