Webマーケター転職講座

マーケティング職の仕事内容の現実【現場レポート】

私は20代半ばで法人営業からWebマーケティング職に転職、そこから一貫して5年以上のキャリアを積んできています。

「未経験からマーケティング系の職種に興味がある・転職を考えている」
「マーケターに応募する前に仕事の実態を把握しておきたい」
そんな方の参考になるよう、実際のマーケターの仕事内容を一部晒していきます。

ここで紹介していく業務経験は売上規模100億円以下、いわゆる中小企業でのものです。

和佐木
和佐木

大企業になるとさらに分業が進んでいたり、一つ一つの意思決定に時間をかけるという違いはあるはず。

とはいえ、マーケターという仕事の根幹は変わらないと思うので、実態に興味がある人は読み進めてみてください。

マーケティング職の仕事内容とは?〜未経験者は知らないマーケ中毒者の世界〜

『マーケター』という職種には華やかなイメージを持っている方もいるかもしれません。

なんだか響きが知的だったり、泥臭さとは対極にありそうですよね。(そうでもないか?w)

先に断っておくと、実態は全く楽ではないしとても泥臭いお仕事です。汗にまみれたり、泥をかぶるような意味合いの”泥臭い”ではありません。

成果へのプレッシャーで毎日胃が痛い。ということです。これは営業時代と全く変わりません。

一方で、刺激に満ちていて辞められないのも事実です。

仮説がバチっとハマって成果が上がれば、アドレナリンがドクドクとマグマのように湧いてくる。この時の快感といったらこの上ありません。

もう私はマーケティング抜きでは生きていけない体になっています(笑)

前置きはここまでにして、事業会社勤務のマーケターの具体的な仕事の流れをチラ見せしておきます。

事業会社のマーケティング職の仕事の進め方

仕事の流れをモデル化すると3段階に分けられます。

①マーケティングの目的の設定
②3Mを踏まえて施策を検討
③効果検証、振り返り

このフローを、プロジェクト別にPDCAをグルグル回していくイメージです。

順に見ていきます。

①マーケティングの目的の設定

マーケティングと一括りに言っても目的は様々です。

  • 商品の認知を高めたい
  • ブランドの認知を高めたい
  • 購買意欲を高めたい

未経験者はどれもこれも同じに見えるかもしれませんが明らかに目的が違います。

最終的には見込み客に購入を決めてもらう必要がありますが、その前に踏むべきステップがいくつか存在します。

そもそも商品のことを知ってもらわなければ比較検討してもらえないし、他社の商品よりも優位性がなければ購入決定には至りません。

顧客の認識の変化によって、適切な施策を検討していくにあたり、「AIDMA」というフレームワークはよく使われます。

AIDMAモデルとは. 株式会社シナプス. https://cyber-synapse.com/dictionary/en-all/aidma.html

厄介なことに今は情報が溢れていて、検索すれば複数の商品を簡単に比較できてしまいます。類似商品とシビアに比較検討される運命にあります。

例えるなら、商品やサービスは『世に放たれた瞬間から地方予選なしで世界大会を戦う運命』なのです。

残酷ですね・・・。

例えば、スマートフォンのなかでもiPhoneを選択するのは、iPhoneの存在を認識していて、あなたの価値基準で他のスマホよりも優れているとジャッジできているからですよね。

一方で、マイナーなメーカーのスマホはそもそも存在自体を知らなかったりします。

「そんなメーカーあったの?」みたいな。

それは、Appleさんのマーケティングが功を奏しているからです。

この目的の違いによって3Mを検討します。

②3Mを踏まえて施策を検討

3Mはアメリカの億万長者メーカーとも言われている、ダン・ケネディ氏が述べている概念です。

3つのMとは、

  • マーケット(Market)
  • メディア(Media)
  • メッセージ(Message)

を指します。

つまりは、

  • マーケット(Market)→誰に対して
  • メディア(Media)→どんなメディアを通じて
  • メッセージ(Message)→どんな広告コミュニケーションを仕掛けるか

これを、①の目的を達成するために検討していきます。

例えば、私の端末には転職系の広告が多く表示されます。

特によく見かけるのが、ハイクラスを対象とした転職サービスの広告です。広告出稿による転職希望者の集客を目的としているのでしょう。

この場合の3Mは、

・マーケット(Market)
→転職に興味がある30-40代以上のビジネスマン

・メディア(Media)
→ビジネス系Webメディアにバナー広告を掲載

・メッセージ(Message)
→イケてるビジネスマン風な画像とともに「転職後の年収○○万円」のキャッチコピー

といった具合です。

これは自社内で考える場合もあるし、マーケティングノウハウを蓄積しているコンサルタントや広告代理店とともに検討していく場合もあります。

インターネットの登場によって、1日に接触する情報は膨大なものになりました。

その情報の海の中から自社のプロダクトを知ってもらう、魅力的に感じてもらうために、3Mを組み合わせて、限られた予算内で成果を最大化できるように施策を講じるのです。

③効果検証、振り返り

施策を講じた後には、効果検証を必ず行います。

「目標は達成できたか」「達成できなかったとしたら要因は何か」「見込みと実際のギャップにはどんなものがあったか」「次の施策に活かせそうなことは」などの振り返りを行い、次の施策に検証結果を活かしていきます。

顧客一人一人に会って直接話を聞くことは非現実的。だからこそ、推論と検証のサイクルを絶えず回すのがマーケターの仕事です。

和佐木
和佐木

営業マンが地上戦でフィジカルな感覚を使ってバチバチ戦っているとしたら、マーケティングは空中戦、情報戦というイメージが近いかも。Webマーケなんかは特に、ですね。

また、会社とネゴシエーションして予算を引っ張ってくることもマーケティング担当の立派な仕事です。

大企業では3Mを考えるよりも社内説明用のプレゼン資料作りに業務のウエイトが置かれる、ということも聞きます。予算を確保するために多くのステークホルダーを説得する必要があるからです。

マーケティング=頭脳酷使型の職種

ここまで、私が取り組んできたWebマーケティング職の実態を曝け出してきました。想定しているマーケティング職のイメージと相違なかったでしょうか?

例えるなら、謎解きのようでもあり、暗い洞窟の中を手探りでジワジワと前進していくような仕事でもあります。

和佐木
和佐木

私みたいな凝り性で飽き性な人、一方で刺激が好きな人には適任。

デジタルマーケティングが強い某出版社の社長も、「内向的な人の方がマーケティングには向いている」という旨の発言をしていますし。

あーでもない、こーでもないとハードな頭脳労働をして、成果が出たら脳汁がドバドバ出る。

そんな仕事スタイルに喜びを感じられるなら、あなたもマーケティング中毒者のポテンシャルがあるかも(笑)

いまからチャレンジするならWebマーケティング系がおすすめ

「他職種からマーケティングにチャレンジしたい」とか、「営業職から次のステップとしてマーケティングを狙っている」なんて人も多いようです。

「新聞広告に携わりたい」や「どうしても紙媒体を作りたい」などのこだわりがなければ、オンラインのマーケティングに携われる環境選択をおすすめします。

根拠として、新聞や雑誌などのオフライン広告よりも、デジタル広告の方が広告費の出稿額は伸びているというファクトがあるからです。

インターネット広告費」は継続して高い成長率を保ち、2兆7,052億円(前年比121.4%)に達し、「マスコミ四媒体広告費」の総計2兆4,538億円を初めて上回りました。

dentsu. 2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析. https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0309-010503.html

デジタル広告はターゲティングが容易だし、効果を定量的に測定しやすく広告主にとってPDCAが回しやすいという事情もあります。

ビジネス関連のメディアでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞かない日はないし、パンデミックが過ぎ去ってもオンラインシフトは加速するとみられています。

事業者間の競争は激しくシビアではありますが、「市場価値を高めていきたい、成長市場で実力を磨きたい」という想いがあるなら、ここにコミットする価値はあると思います。

こちら記事ではWebマーケティングに向いていそうな人の特徴を、現場担当者目線でまとめてみました。

以上、現場からお伝えしました。

ありがとうございました!

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