転職において失敗を回避するための自己分析には、2つの方向性があると思っています。
1つは、「”どこに (Where)”自分を売り込んでいけば中長期的に幸せになれそうか?」です。
もう1つは「”どうやって (How)”自分を売り込んでいくか?」つまり武器となる「強み」についてです。
前者はよく「企業選びの軸」と言われたりします。
「自分を世の中のどこに配置すれば、充足感を感じながら働けそうか?」これを考えずにあなたにとって「良い転職」ができるわけがありません。
私自身も複数回の転職で、企業選びの選球眼が高まっていることを実感しています。回数を重ねるごとに「転職後の後悔」は少なくなっています。
転職における企業選びとは、例えるなら物件選びのようなものだなあと。
▼転職における「企業選びの軸」は物件選び感覚で
物件選び、自分でやったことありますか?
物件を選ぶ時に「立地」「日当たり」などの条件を比較検討するように、企業選びの時にも「待遇」や「カルチャー」などでスクリーニングしていきますよね。
条件の中でも、「これは譲れない」「できれば確保しておきたい」「これは避けたい」など優先順位を決めておくことで迷いなくスクリーニングできます。
企業選びでも同じように条件を決めてスクリーニングしていけばいいのです。
ここで「条件」といってもピンとこない方のために「転職先の企業選びの軸」の精度を上げるチェックリストを用意してみました。
▼企業選びの軸の解像度を高める8つの質問
質問に答えていくと、あなたにとっての「良い転職」をするための企業の解像度が高まります。
こういった棚卸しをしないまま求人サイトぼーっと眺めていたり、転職エージェントに推薦されるままに応募しても「時間のムダムダムダーっ!」です。
「物件選び」のようにスクリーニングしながら「理想の企業像件」を具体化していきましょう。
(1) 現職では叶えられないけど、転職先企業で叶えたいことは?
(2) どんなカルチャーの会社で働きたいか?あるいは避けたいか?
(例. 管理が厳しい社風、自由度の高い社風...)
→働きたい or 働きたくないに優先順位をつける
(3) 業界を飛び越えるか否か?
(4) 職種や立ち位置は変えるor変えない
(例. 営業、マーケティング、商品開発など具体的な職種/クライアントワーク or 事業会社...)
→優先順位をつける
(5) 収入はどの程度を希望するか?
(6) 金銭以外にに得たい報酬と優先順位は?
(例. 上場目指すなど野心的な挑戦、同僚からの良い刺激、意思決定できる裁量など)
(7) オプションとして欠かせない条件は?
(例. リモートワーク可、年休何日以上、ストックオプションなど)
(8) (5)〜(7)で挙げた項目の優先順位は?
(年収は据え置きでも人間関係が良好な職場がいい。年収は何よりも最優先。など)
8つの項目を整理することで「理想の転職先」の輪郭がハッキリしきすし、自分自身が何を大切にしたいか自己理解するのにも役に立ちます。
また、項目には必ず理由も入れましょう。エージェントや応募先企業の納得を引き出すには建前でも構いませんので理由は必須です。
脅すつもりはありませんが、こういった基本的な棚卸しをしないで転職活動を進めても、「年収は上がったけど激務すぎて家族との時間が確保できずにトータルの満足度は下がってしまった」「意気揚々と飛び出したけど、戻れるなら戻りたい」なんてことが起きるのです。
必ず時間を割いて、輪郭をはっきりさせてから応募や面接に進んでほしいと思います。
▼【マル秘】企業選びの軸を定める実例公開(転職編)
これ公開するかめっちゃ迷いましたが、ブログ読者の方へのお礼の意味も込めて公開します。
企業選びの軸を定めるプロセスをイメージしやすいように、私が転職した際の実例も晒しておきますね。
(1) 現職では叶えられないけど、転職先企業で叶えたいことは?
→サービスやプロダクトを自信を持って、適切な販売方法でクライアントに薦めたい。
(2) どんなカルチャーの会社で働きたいか?
→風通しよく意見が交わしやすい環境が望ましい。これまでスピード感重視の環境で働いてきているので、あまりにも官僚的、お役所的、ハンコリレーが絶対な状況だとギャップを感じる可能性があるため。
(3) 業界を飛び越えるか否か?
→業界にはこだわらない。現職の業界にこだわる理由は特にないし、保有スキルは特定業界に囚われるものではないため。
(4) どういう役割の職種を希望するか?
→事業会社の〇〇を希望。凝り性なところがあり、複数のクライアントを持つよりも、1つのビジネスを成長させるために頭を働かせるほうが性に合っているため。
(5) 収入はどの程度を希望するか?「最低これくらいは欲しい」という額は?
→据え置き以上を希望。
(6) 金銭の他に得たい報酬は?
→個人的に興味関心の強い業界、企業で働けること。
(7) 他に欠かせない条件は?
→リモートワーク可、オープンな人間関係。できればフレックスも。
(8) 4〜6の優先順位は?
→(6)を叶えることがファーストプライオリティ。その次にカルチャーフィット。年収は据え置き以上であれば許容範囲。
はい。
これ書いてて思ったのですが、個人を特定されませんかね?(笑)まあいいでしょう。
一つだけ注意点を挙げておきます。(1) は絶対に他責と捉えられないようにすることです。
特に20代の若手の方は「成長できる環境で働きたい」みたいなことを仰る方が見受けられます。ですが会社はお勉強する場所ではありません。
「優秀な人が揃っていて社会意義も大きく成長できる環境」を軸の一つとして持っておきたい気持ちはわかりますよ。
ただそれを最優先かのように伝えてしまうのは、「自分は他責にしやすい性格です」と言っているようなものですし、「転職は自分を売り込む活動」という大原則から逸れてしまっています。
転職の軸を作ってみたよという方は、こちらから連絡してもらえれば採用担当者目線でフィードバックも受けられます。しばらくは無料で提供中です。
まとめ
この作業は、転職活動という一大プロジェクトに取り組む際の「要件定義」とも言えます。
そもそも「要件定義」をしないと、成功か失敗かの評価ができないことに時間を割くことになり、まぐれ当たりはあっても再現性はないし、徒労に終わる可能性も高いです。
かなり実践的な内容になりましたが、少しでも役立ててもらえると嬉しく思います。
ちなみに、自己分析のもう1つの方向性、
>「”どうやって (How)”自分を売り込んでいくか?」つまり武器となる「強み」について
は、別の記事で、こちらも具体例付きで解説しています。