身も蓋もない話、「良い転職」ができるか否かは、あなたの実力よりも「運」がモノをいいます。
考えてみてください。
・転職サイトに登録して、条件の良い求人が掲載されているか。
・転職エージェントにエントリーして、意欲的なエージェントが担当になってくれるか。
・強力なライバルが同じポジションに応募してこないか。
こういった要素を我々転職者はコントロールできるでしょうか?いやできません。
この現実をもってして「運ゲー」と言わずに何と言えばいいのでしょうか・・・。
ただし運ゲーであるという事実は、ネガティブなことではありません。なぜなら、予想以上に良い結果に着地できる可能性もあるからです。
「年収は横ばいでいいから、せめてブラック企業から抜け出して意義のある仕事にジャンプしたいよね」
こう思っていたら、
「社会的意義のある仕事をしている企業でピッタリなポジションにたまたま空きが出て、なおかつ年収も120万円アップした」とか。
それは私のケースでした(笑)
「運ゲー」と聞いて、自分はツイてないんだよなーと絶望する必要はありません。
実は運を制するためのアカデミックな検証結果がすでに存在するからです。そこで明らかになっている、運を掴むためのTipsを転職に転用していくのはどうでしょう?
ここで某書籍からいくつかのアイデアを、転職成功という切り口から紹介していきます。
運やタイミングを制して転職成功する知恵①:何度もトライする
身も蓋もない話、運を味方につけて成功を掴み取るためには1回の転職で完璧を目指さないことです。
もしおみくじで大吉を引きたいなら、1度のチャレンジではなく2回、3回...と何度もチャレンジできた方が大吉を引ける確率は高くなります。
仮に転職が運に左右される要素が多いとするなら、1回のチャレンジに全てを賭けるのではなく、何度もチャレンジする前提で考えてみることです。
成功した企業やビジネスを切り取ってみても、1回のチャレンジでドカンと成功したわけではなく、何回もトライした結果道が開けるケースは多くあります。
大きな成功を収めた人々や組織がランダム性を利用するためにこの戦略を用いたことは、驚くに値しない。
リンゴを何度もかじってみれば、たとえ成功を予測できなくてもその可能性は高まる。外部からはそう見えないとしても、これは成功を望む個人や企業すべてに当てはまる。
フランス・ ヨハンソン. 成功はランダムにやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方 (Japanese Edition)
「いやいや、転職は何度もトライできないよ」と思ったかもしれません。
ですが、本当にそうでしょうか?ちょっと考えてみてください。
正社員として転職するなら、転職してから数ヶ月で「失敗したのでまた転職します」では、経歴に傷がついてしまうことはさすがに理解しています。
それなら、失敗してもキズが浅いレベルで試してみることです。
- 経験してみたい職種をアルバイトで経験してみる
- お金をもらうのではなく、お金を払って経験してみる
- ボランティアで関わってみる
- 業務に必要なスキルをリサーチand学習してみる
- 実際に働いている人と知り合いになって実態をヒアリングする
などなど、仕事を擬似体験する方法はいくらでもあります。
特に20代のうちなら、まだリスクを取って大胆に行動できます。
ほとんどの場合、妄想していることと実際に起こることのギャップの間での苦しみです。
仕事内容が面白くないのも、上司が想定以上にイケテナイのも、どうでもいい割に忙しい仕事も...。
取り組み始める前は少したりとも希望を持っていたはずなのです。ところが現実は少し違った。
ということは、擬似体験する回数を増やすことで、体験せずに妄想していることと、実際に体験して感じることのギャップを減らせますからね。
特に20〜30代なんてキャリアにおいて複数回転職することは目に見えています。なぜならビジネスの寿命が年々短くなってきているからです。
極論言ってしまえば、1つの会社に長く勤めることは期待せずに、自分がフィットする仕事や職場環境を仮説検証していくつもりで転職を活用していくのはいいかなと思っています。
そのために、何度もトライする(≒様々な機会に軽くでいいので首を突っ込んでいく)というアイデアは試す価値があります。
運やタイミングを制して転職成功する知恵②:好奇心や情熱に従う
「理由はわからないけど興味をそそられる」
「取り組んでみたら時間を忘れるくらい没頭した」
「誰かに止められてもやってしまう」
そんな経験が誰にも一度はあると思います。
私の場合、ここ最近走ることに謎の情熱があったりします。たぶん前世は飛脚だったのでしょう。
パッと見ではわからないけれど、火山の中のマグマの如くグツグツと湧き出てくるような好奇心や情熱にフタをせずに追求してみる。
それが食い扶持に繋がる可能性があります。
私の友人は、名門大学を卒業してから上場企業に就職。そこからコーヒーへの興味関心を抑えきれなかったようで、独学でコーヒーについて学び、店舗の現場でアルバイトしながらカフェを開業するまでになってました。
かくいう私も、誰に頼まれたわけでもなく、極めて個人的な、謎の使命感からこのブログを運営していたりします(笑)
好奇心に従うことを学べば、いつもとは違う新しいことに興味を持てるようになる。予測できるわかりきったことではなく、可能性と未知のものが、あなたの好奇心をかきたてる。一言でいえば、好奇心とは、正体不明の新しいものにひかれることなのである。
だが、それが実を結ぶためには、実際に好奇心に従わなければならない。好奇心に従うことも、偶然を生む方法の一つだからである。
フランス・ ヨハンソン. 成功はランダムにやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方 (Japanese Edition)
社会に出ると「やらなければいけないこと」に忙殺されて、興味関心や好奇心、つまりは「やってみたいこと」にフタをしがちな方も多いと思います。
それに卓越している人を見ると「やらされてる感」ではなくて、主体的な好奇心や情熱が前に進むガソリンとなっているとも感じます。
転職することで自分にフィットした仕事を見つけたいとか、「その他大勢の中の一人」ではなく「何者か」になりたい方なら、日頃から意識的に好奇心や情熱に対するアンテナを張っておくといいかもしれません。
運やタイミングを制して転職成功するための知恵③:予測不可能な道を進んでみる
- 平日は会社と家の往復
- 休日は気心知れた友達と飲みにいく
- 決まった趣味のルーティーンをこなす
こんな日常を送っていたとしたら、まあ安定感は感じるかもしれません。一方で、想定から外れた出来事というのは起きる可能性は限りなく低くなります。
予測不可能な道とは、普段のルーティーンからは外れた行動のことです。そこに踏み込むことで予想だにしない機会が外からやってくるかも知れません。
ランダム性を増やすための直接的なアプローチをとるべきときもある。論理的な計画や行動指針があったとしても、予測可能な道を避ければ、予測不可能なクリック・モーメントを起こしやすくなるからである。(中略)
フランス・ ヨハンソン. 成功はランダムにやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方 (Japanese Edition)
転職の場合は、転職サイトやエージェントに登録するというアクションがファーストチョイスの選択肢として上がってくると思います。
転職サイトに登録すると、掲載中の求人を探してエントリーすることができます。「同じ職種でも給料全然違うよね」とか「もっと待遇の良い会社もあるよね」など新しい発見があるでしょう。
一方で転職エージェントは人が介入するので、もう少し予測不可能性は高くなります。
私も複数回の転職を経て気づいたのは、気の利くエージェントほど、自分一人だけでは到底気付けないポジションや企業を提案してくるということです。
「○○という希望を伺ってましたけど、△△みたいなポジションにもチャレンジできます」みたいな提案をもらえたりします。
今はWantedlyのようなマッチングサイトなんかもあります。企業に気軽に話を聞きにいけるという意味では、接触可能な企業の数も格段に増えますからね。予測不可能性がさらに高くなります。
この流れ、野球選手を育てる育成ゲームをやっていた人ならわかると思います。
選手を強化するための練習ばかりではなくて、他のキャラクターとの接触を増やしたり、一見怪しそうなお誘いに乗ってみると、選手が一気に強化されたりするんですよね(笑)
まあ現実世界では一気にスキルが伸びたりすることはありません。
ただ、予期せぬイベントが発動して別の世界線にジャンプするような経験はできます。たとえそれが遊びではなく仕事選びだとしても。
自分にとって予測不可能性の高いアクションほど、です。
(この間も予期せぬお誘いについていくと、芸能人が訪れる会員制バーに足を踏み入れていたこともあります。私はテレビ見ないので何も感情は動かなかったのですがw)
さいごに
計画立ててコツコツやって目標達成!というのも気持ち良いものです。
ただ、運やタイミングを制して一気に別の世界線にジャンプすることに興味のあるマニアックな方は参考書籍もぜひ読んでみてください。
転職に限らず人生のあらゆる場面で応用が効く気づきが盛り沢山です。控えめに言って世界の見え方が変わるはず。
成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方
「転職するかしないか迷う」という方が多いようなので、こちらの記事では転職について一歩深く踏み込んでいます。