「営業から別の職種に転職したい」「営業以外の職種にも興味がある」という意見は一定数あるんじゃないかなと思います。
理由はどうであれ、転職するにも実績ありきな30代になる前に、自分の適性がマッチする職種に収まりたい方は多いはず。
私も実は職種転換組で、20代中盤の時に営業からマーケティング職への転職を経験してます。
さらに、今はチームメンバー中途採用にも関わっているということもあって、現実に即した内容をお伝えできると踏んでいます。
営業から別の職種に転職・キャリアチェンジは可能
結論、営業から他の職種へのキャリアチェンジは全然可能です。
特に20代前半〜中盤の若手層なら、未経験職種へのチャレンジは何も不自然なことではないです。これが20代後半〜30代になってくるとひと工夫必要になってくると思いますけども。
転職市場では特に20代の流動性は高いですし、職種経験不問としているケースも多くあります。若ければ若いほど、経験よりも人柄や企業カルチャーとのフィット、ポテンシャルが注視されます。
30代は即戦力として、これまでの経験や実績(テクニカルスキル)が重視されるのに対し、20代は経験が少ないため、伸びしろ(ポテンシャル)や仕事に対するモチベーションの高さ(スタンス)を重視される場合が多くなります。
引用:https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/11159/
採用担当者目線では、営業をかじっていると一定レベル以上の、関係構築力、対人折衝力、ストレス耐性(折れない心w)は持っていると想定します。
こうした特徴は営業以外の職種でも活躍するために不可欠な要素ですからね。営業経験者にとってはアドバンテージになります。
今は苦しくても、いつか営業職をやっていたことに感謝する日がくるかもしれません。
超現実的な営業から別職種への転職・キャリアチェンジ例
もう一歩踏み込んで、営業からどんな職種にキャリアチェンジできるのか見ていきます。
私自身、営業からマーケティングに職種転換したり、チームメンバーの採用に携わったり、華麗な転身を遂げる元営業マンの同僚も見てきました。
その事例について取り上げていきます。
(1)企画系職種へのキャリアチェンジ
企画色ってだいぶ幅広いですが、例えばマーケティングや商品・サービス企画などです。
私から提案できるとしたら、営業をやりながらマーケとか商品開発の仕事のやり方をインプットして、営業としての仕事に企画職の要素も混ぜ込んでから早期に「未経験者」を脱出。その後に「半経験者」として転職を狙う流れです。
- 自社の商品だけでニーズを満たせないなら、他社の商品とセットで販売する
- 営業が不効率に感じるのなら、自分でマーケティングの仕組みを作ってしまう
- 自分の個性に合った営業スタイルを、商品開発やマーケティングの知識も使って確立させていく
などなど、名刺は営業だけど仕事ぶりは別職種ともグラデーションされてる、みたいなこともできますからね。
ただし未経験からこのポジションで募集している企業はそこまで多くないので狭き門です。
転職サイトを見ても募集自体がそこまで多くないし、転職エージェント経由で未経験職種に応募というのは非現実的です。
早いうちに「未経験者」を脱して、経験者としてポジションを狙うのがおすすめです。
(2)管理部門へのキャリアチェンジ
いわゆる経理、人事、労務、などが管理部門にあたります。
これらの職種は「縁の下の力持ち」的なポジションで、社内外の関係者と折衝する場面も多いです。営業として培ってきたであろう、関係性を築くスキルはここでも重宝されます。
専門知識は後からキャッチアップするというスタンスでも問題ないですし、20代の若手なら未経験からチャレンジできるように門戸は割と広めに開かれています。
大企業なら営業から人事に移動することも全然いますからね。
(3)営業事務職へのキャリアチェンジ
営業をしていて目標達成へのプレッシャーが大きく感じた、激務で体調を崩しかけたという元同僚の女性は営業事務職へキャリアチェンジしてました。
元営業だけあって、営業に寄り添ったサポートができるはずです。性格的な適性として、自分がゴリゴリ引っ張るよりは人のサポートに回ることで存在感を発揮できる人もいます。
ただし、売上への貢献度は営業職よりも少なくなることもあり給与は下がる可能性が高いです。
(4)エンジニアへのキャリアチェンジ
営業からエンジニアというと、繋がりをイメージしにくい方が多いと思います。
ただ、ITやWeb系のエンジニアは絶望的に人が足りてませんから、然るべき手順を踏めば未経験からでもチャレンジできます。
経済産業省の調査(2019年3月)によると、2030年にはIT人材(主に情報サービス業、ITサービス・ソフトウェアなどを提供する企業、ITを活用する一般企業の情報システム部門などに所属する人材)の不足数が最大で約79万人になるという試算が出ています。
https://tech-camp.in/note/careerchange/93882/
また、内向的な性格の方なんかは、営業よりはエンジニアのほうが適性には合ってます。人間関係をどんどん作っていくよりも、黙々とシステムを構築したり研究開発する方が性に合っているのです。
過去に営業大好きな外向的な上司と仕事をしていて、「営業ほんま好きやわ」と言っていたのですが、こういう人と勝負したら勝てませんわと思ったものです(笑)
たまに「コミュニケーションが苦手なので、もくもく作業できるエンジニアがいいです」みたいな声も聞こえてきますがこの考えは的外れです。
エンジニアもクライアントワークだったり、社内の仲間とコミュニケーションできなければ仕事は前に進められませんからね。
(5)【番外編】歩合制の営業職へ
この記事の読者の方は「営業なんてもううんざり」という方が多いと思います(笑)
ただその理由として、「結果を出してもあまり報われないから」「労力やプレッシャーの割に待遇がショボいから」だとしたら、他の職種に移るのは少し考え直してください。
今の会社がたまたま報われないシステムを採用しているだけであって、所属先を変えることで驚くほど待遇アップできる可能性もありますからね。
私の知人でも、営業が強い友人は外資の保険営業に転身。サクッと年収1,000万は超えてましたからね。歩合制なら20代でもそれくらいは稼げるポテンシャルがあります。
保険会社の他にも、不動産業界などはコミッション(歩合)の割合が大きいことで有名です。ポテンシャルを持て余している人はぜひ。
説得力のある転職理由・志望動機の作り方【営業から他職種に転職/キャリアチェンジを狙う】
「まあいろんな職種にチャレンジできる余地があるのはわかった。でも、転職理由とか志望動機はどうすればいいんや?」ということで、ポイントについてお伝えしていきます。
転職する以上はその理由とか、志望動機は必ず確認されますからね。
特に職種を跨ぐ時は、相手の納得を得るそれなりの理由が必要です。
転職理由の作り方
まず転職理由を作るときに気をつけることは2つです。
①必然的な理由になっているか
本音かどうかは置いておいて、「それは営業やめなくてもよくない?」と突っ込まれる程度の理由では、面接官の納得を得られません。
意地悪に見えるかもしれませんが、論理の破綻は基本ツッコまれると思っておきましょう。
ではどうすればいいか?
②適性や情熱にフォーカスした内容にする
そもそも別の職種にチャレンジするのは、「ポテンシャルを最大限に活かせそう」「ストレスを減らしながら働けそう」と見込んでいるからですよね。
そのエビデンスとして、未経験者は早く経験者になってしまうことなのです。
説得力が全く違うものになりますし、類似の業務を経験していれば「やってみたら思ってたのと違った」となるリスクもヘッジできますし。
職種に興味を持った
↓
その職種の要素を取り入れて仕事してみた(擬似体験してみた)
↓
もっと追求したい意欲が生まれた
↓
でも勤務先ではポジションがない、専門家がいないので良質なフィードバックを得られない
↓
だから転職したい
この流れなら営業から別の職種に軸足を移す十分な理由になっています。
口に出す必要はないですが、「私が営業やってたら日本経済にとって損です」「別の職種にキャリアチェンジしたほうが企業のためでもあるし私のためでもある」くらいのスタンスで主張したいのです。
厳しいこと言いますが、ハッタリでもいいのでそのレベルで作り込めなければ、会社にとって未経験者を採用するメリットがないですからね。
ちなみに現在の勤務先で異動で職種転換が叶う見込みがあるなら、そちらを狙った方が手取り早いです。
未経験者から一歩でも早く脱するためのヒントはこちらの記事でも
他職種に転職する時の志望動機の作り方
未経験職種に転職する時に、採用担当の納得を引き出す志望動機に仕上げるポイントは2つご提案できます。
①3段階に掘り下げて考える
採用担当の納得感を引き出すためには、一貫性のある志望動機を語ることです。
最低限、この3つはツッコまれると思って準備しておくことをおすすめします。
1) なぜその業界なのか?
2) なぜその企業なのか?
3) なぜその職種・ポジションなのか?
これは職種を変えずに同職種へ転職する時も使えます。ただ採用担当をしていると多くの人が抑えられていないのです。
「3) なぜその職種・ポジションなのか?」は上でご提案したように、退職理由とセットで考えられます。
「1) なぜその業界なのか?」「2) なぜその企業なのか?」は求人票をみたり企業のリリースを見て業界研究・企業研究しましょう。
営業から職種転換することが最優先、「業界は特に何でもいいよ」ということもあるかもしれません。
職種未経験なら、ただでさえポテンシャル重視の転職で「企業にお願いして採用してもらう」立場ですから建前でもいいので理由は準備しておいたほうが機会損失は防げるのではないかと。
②自分にしか言えないオリジナリティのある内容になっているか
「成長している業界(企業)でスキルを磨きたいからです」
「御社のような社会貢献性の高い事業体のお力になりたいです」
このような金太郎飴的な志望動機は、採用担当者は聞き飽きています。私もここに書いててウンザリしてきました(笑)
そういう一般論的なことが聞きたいんじゃないんですよ。あなたがどう感じて転職したいのか聞きたいのです。
ヒントは、自分の経験や価値観と、企業の強みやビジョンのリンクポイントを見つけるのです。
例えば私の友人で、IT企業のなかでもモバイル決済のシステム会社に転職した友人がいました。
彼は不効率なことが大嫌いで、いまだにレジで現金で支払いをしている人を見ると発作が起きてしまうのです(笑)
そんな彼には、世の中の不効率をなくすことをミッションとして掲げるモバイル決済を推進する企業に入社するのは必然性があります。
自分の価値観や過去の経験は自分にしか語れないもの。ゆえにオリジナリティのある志望動機に仕上げることができます。
活用しない手はあるだろうか?いや、ない。
お後がよろしいようで。
まとめ
転職活動は準備が8割です。理論武装してから選考に望んでほしいなと思います。営業から未経験職種にジャンプするのなら尚更です。素っ裸で戦場にいくのはやめましょう。
あと、大事なことをお伝え忘れてました。
未経験職種に転職するなら、チャレンジさせてもらえること自体に感謝しつつ、最初の1〜2年は修行と覚悟しましょう。
あなたの希望をあれこれリクエストできるのは戦力になってからです。
そりゃそうです。企業側もリスク取ってるんですから。
幸運を祈ります。
自分の適性にマッチする職種に就くためのアクションが分からないという方は別の記事に方法をまとめています。